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2012年 04月 08日
すれちがい
人とすれ違う時に互いによけようとせず、不機嫌な顔で肩をぶつけ合いそのまま行く人を東京ではよく見かける。
相手がコースを変えないから自分も譲る気はない、と思ってるんだろうなと思う。

僕は楽器やかばんなどあれこれ持って歩いていることが多いから幅をとっているし、素早い方向転換もできないから、往来の多い所では迷惑な存在だと思う。
だから、必然的に人とすれ違う時に肩から下げているかばんや楽器を体に引き寄せたり、体の前後に少し回りこませたりして、少しでも無用な衝突を避けようとする。

そうすると不思議なことに、かなりの確率で相手も同じような動きをする。まったく避ける気がなさそうにずんずん歩いてくる人でも、つられるようにほんの少しだけ体をひねったり、腕を寄せたりする。

互いに会釈するような社会的な行動じゃなくて、単につられただけというような反応。会釈なんて恥ずかしくて欧米か!という気持ちで顔に出さないだけなのかもしれないけど、不機嫌な顔のままで、それでも反応はする。
それだけですれ違うには十分で、お互いに余計な不機嫌をもらわずに済む。

もちろん、まったく無反応な人もいることはいるけど、少数派だと思う。
とても簡単なことなんだけど、相手に変化を求めるのではなく、自分の変化が相手のちいさな変化のきっかけになるひとつの例のような気がしている。

これは何も大きな荷物でえっちらおっちらしているからというわけではなく、カバンひとつしか持っていない時でも同じようなことが起こるので、よけない相手にはこっちもぶつかっていく、と思っている人に試してほしいなあと常日ごろ思っている。
やってみると意外に面白いから。

by miura1go | 2012-04-08 23:20


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